商工中金の融資種類とそのメリット・デメリットを解説
中小企業は事業資金を確保するために、商工中金の融資を利用することも選択肢になります。
商工組合中央金庫の融資制度は日本政策金融公庫と同様に、小規模事業者が低金利で利用できるのが特徴です。
本記事では商工中金の融資制度の概要と、利用する際の注意点について解説します。
商工組合中央金庫の概要
商工組合中央金庫(通称:商工中金)は、政府と民間団体が共同で出資する政府系金融機関です。
商工中金の融資制度は、中小企業が資金調達をしやすいように設計されています。
商工中金の融資には、株主が利用できる制度と株主の構成員が利用できる制度があり、商工中金の株主団体は以下の通りです。
商工組合中央金庫の株主団体
- ・中小企業等協同組合、事業協同組合・事業協同小組合・火災共済協同組合・信用協同組合・協同組合連合会・企業組合
- ・協業組合
- ・商工組合・同連合会
- ・商店街振興組合・同連合会
- ・生活衛生同業組合・同連合会・生活衛生同業小組合
- ・酒造組合・同連合会・同中央会
- ・酒販組合・同連合会・同中央会
- ・内航海運組合・同連合会
- ・輸出組合・輸入組合
- ・市街地再開発組合
出典:商工組合中央金庫
商工組合中央金庫の融資形態
商工組合中央金庫には、「組合貸」と「構成員貸」の融資形態があります。
組合貸
組合貸は、商工中金の株主が利用できる融資制度です。
例えば、共同事業資金の融資は、商工中金株主団体が行う共同事業に必要な資金を調達する際に利用できます。
また、組合を通じて構成員の事業に必要な資金を融資する「転貸資金」も組合貸の一つです。
構成員貸
構成員貸は、商工中金株主団体の構成員が直接融資を受けることができる制度です。
これは構成員を対象とした融資制度ですが、構成員以外でも融資の相談は可能です。
ただし、融資を受ける場合は、商工中金株主団体の構成員等になる必要があります。
商工組合中央金庫の融資制度の種類
商工組合中央金庫は、中小企業の様々な事情に対応するため、多様な融資制度を提供しています。
商工中金の主な融資制度の種類
- ・一般的な融資
- ・国・地方公共団体の施策に基づく貸付制度
- ・組織化、組合共同事業支援のための融資
- ・地方公共団体の制度融資
- ・業界団体の制度融資
- ・市街地再開発事業への融資
商工組合中央金庫の一般的な融資は、設備資金や運転資金として利用することを目的としています。
設備資金の融資期間は15年以内、運転資金は10年以内に設定されており、金利は金融情勢によって変動します。
担保や保証人は必要に応じて設定されるため、事業者の状況によっては担保なしで融資を受けることも可能です。
さらに、国や地方公共団体の施策に基づく貸付制度や、業界団体の制度融資もあり、設備資金以外の目的でも利用できる資金を調達することができます。
商工中金融資を利用するメリット・デメリット
商工中金融資は、中小企業が資金調達しやすいように設計されていますが、融資を受けるためには一定の条件をクリアする必要があります。
低金利で融資を受けられる
商工中金融資の大きな利点は、中小企業が低金利で融資を受けられる点です。
中小企業でも銀行からの融資は可能ですが、返済能力が低いと判断されると金利が高く設定され、返済額が増えるという課題があります。
一方で、商工組合中央金庫の融資制度では金利が1%台のものもあり、返済額を抑えて資金調達が可能です。
構成員等にならなければ融資制度を利用できない
商工中金融資は、利用対象者が商工組合中央金庫の株主や構成員に限られています。
株主・構成員でないと利用できない
商工中金融資の融資制度には、利用者が商工組合中央金庫の株主や構成員であることが条件となっています。
組合貸は商工組合中央金庫の株主が対象であり、構成員貸は商工組合中央金庫の株主の構成員が対象となります。
そのため、融資を利用するためには株主や構成員になる必要があります。
株主になるためには株式を取得するための費用がかかり、組合員の場合は年会費などの費用が発生します。
融資を受ける際にはこれらの費用が必要になる点に注意してください。
まとめ
商工中金融資は、株式の取得や株主の構成員でなければ利用できませんが、低金利で融資を受けられる点が大きなメリットです。
組合員や構成員になれば、融資に加えて事業のサポートも受けられるため、融資以外の利点も含めて活用するかどうかを検討してください。
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