無申告者が税務調査を受けるリスクとその把握方法
無申告者が税務調査を受けるリスクとその把握方法
確定申告をしていない無申告者が税務調査を受けると、申告している人に比べて罰則が厳しく、悪質な脱税は刑事罰の対象となります。
税務署は様々な方法で無申告者の情報を収集しているため、この記事では無申告が発覚する原因と、税務調査を受けるリスクについて詳しく解説します。
国税当局が無申告者の調査に力を入れる理由
所得税や法人税などは申告納税制度を採用しており、納税者が自ら適正な納税を行うことが前提<です。無申告者を放置すると、納税者間に大きな不公平感が生じるため、国税当局は無申告事案に対して厳しい対応を取っています。
無申告事案は税の種類に関わらず調査の重点項目とされており、確定申告を行っている人よりも厳しい目で見られます。また、税務調査は自宅などに調査担当者が訪れる実地調査だけでなく、文書等による「実地調査以外の調査」も行われています。これらの調査でも無申告が指摘されると、本税に加えて附帯税を納めることになるため、注意が必要です。
税務署が無申告を把握する4つの手段
税務署は次の4種類の方法を用いて無申告者の実態を把握しています。
法定調書など税務署に提出される資料
税務署は源泉徴収票など、法的に提出が義務付けられている法定調書を無申告者の情報源として利用しています。法定調書は60種類以上あり、不動産の売買時に提出する調書や国外送金を行った際の調書などがあります。取引相手が法定調書を提出すれば、確定申告をしていなくても税務署は事業の実態を把握できます。
テレビやインターネット等による情報収集
税務署はテレビやインターネットからも情報を収集します。例えば、テレビで話題の人気店は売上が伸びていると考えられるため、適正に申告しているかを確認し、無申告や申告内容の不備があれば税務調査で指摘します。最近ではSNS上の発言から無申告が発覚し、税務調査に発展するケースもあるため、インターネット上の発言にも注意が必要です。
一般の方からの情報提供
国税庁は、ホームページ上で課税・徴収漏れに関する情報提供を受け付けており、そこから税務調査に発展するケースもあります。匿名での情報提供が可能なため、取引先や顧客から無申告の情報が国税庁に伝わることもあります。情報提供があったからといって必ず調査が行われるわけではありませんが、無申告事業者は情報提供をきっかけに調査を受けることがあります。
確定申告を行わず無申告のまま放置するリスク
加算税の税率が上がる
加算税には「過少申告加算税」「無申告加算税」「重加算税」の3種類があります。過少申告加算税は期限内に申告書を提出した人が修正申告書を提出する際に課される罰金で、本税の10%~15%を支払うことになります。無申告加算税は期限後に申告書を提出した場合に課される罰金で、税率は過少申告加算税よりも高い15%~20%です。
重加算税は仮装隠蔽により税金を脱税した場合に課され、無申告の場合の重加算税の税率は40%と非常に高くなります。
無予告による税務調査の実施
税務調査は原則として事前に調査対象者に連絡されますが、税務署が事前連絡が調査に支障をきたすと判断した場合、無予告で調査が行われることもあります。無予告調査では調査担当者が突然自宅や事務所を訪れ、その場で税務調査を実施します。申告書を提出している納税者に比べ、無申告者は無予告で調査が行われる可能性が高いです。
まとめ
税務調査を受けてから期限後申告書を提出するのと、自主的に期限後申告書を提出するのでは、加算税の税率や税務署の心証が大きく異なります。納税意識が低いと判断された場合、税務署のチェックは厳しくなり、再度調査を受ける確率も高くなります。
無申告の状態はリスクが大きいため、税理士などの専門家に相談して早急に申告書を提出することが重要です。
大阪市で無申告対応サポートを提供していますので、お気軽にご相談ください。