税務署が注目する会社員の特徴と税務調査の実態

税務調査は法人や個人事業主を主な対象としているイメージがありますが、会社員も調査対象になることがあります。

この記事では、税務調査の対象になりやすい会社員の特徴と、税務調査の流れについて詳しく解説します。

税務署が税務調査を行う理由

税務署が税務調査を行うのは、本来納めるべき税金を確実に支払ってもらうためです。所得税や法人税は利益に対して課される税金であり、事業者は確定申告でその年の利益を計算します。

しかし、一部の事業者は売上を除外したり経費を水増ししたりすることで脱税を行うため、税務署はこれらの不正行為を摘発するために税務調査を実施します。

一方で、会社員は年末調整で所得税の精算を行うため、確定申告が不要なケースが多いです。しかし、会社員も特定の条件下では税務調査の対象となります。

会社員が税務調査の対象となるのは、複数の会社から給与を受け取っている場合や、給与以外の所得が発生した場合です。

複数の会社から給与を得ている場合や、給与所得以外に副業で収入がある場合は、確定申告で全ての所得を合算して納税額を計算しなければなりません。

申告漏れがあると、税務調査で指摘され、本税に加えて加算税や延滞税を支払うことになります。

上場株式の売買で利益が発生しても、特定口座で源泉徴収を承諾していれば確定申告は不要です。

しかし、一般口座や源泉徴収を承諾していない特定口座での取引、またはFX取引や暗号資産取引で利益が出た場合は、確定申告が必要です。

特に暗号資産取引での未申告は税務署が取り締まりを強化しています。

相続した不動産を売却した場合、譲渡所得が発生し、その差額に対して譲渡所得税が課されます。相続不動産の取得費が不明な場合は利益が発生しやすく、申告漏れが起こりやすいです。

また、複数人の相続人が共有名義で売却した際は、名義人ごとに申告が必要です。

税務調査は通常、調査担当者から事前に連絡があります。自宅や事務所で実施され、基本的に1日中対応に追われます。

質問への回答は任意ですが、必要に応じて回答しなければ調査が長引く可能性があります。調査終了時には調査結果の説明があり、申告誤りがあれば修正申告書を提出します。

税務調査で申告漏れを指摘された場合、
加算税や延滞税のペナルティがあります。

加算税は
申告期限までに正しい申告をしなかったことへの罰金で、
無申告加算税は15%～20%、過少申告加算税は10%～15%です。

意図的な脱税には
重加算税として35%～40%が課されます。延滞税は税金の支払い遅延に対するペナルティで、日割りで増えていきます。

会社からの給与のみで年末調整が済んでいる会社員は税務調査を受ける可能性は低いですが、副業や暗号資産取引で利益が発生した場合は確定申告が必要です。

申告を怠ると税務調査の対象となり、余計な税金を支払うことになります。必要な場合は確定申告を忘れずに行ってください。

大阪市の税務調査対応サポートをしていますので、お気軽にご相談ください。